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ヘレネー頌

へれねーしょう

ゴルギアス·古代

弁論術の力で世評の悪女を弁護するゴルギアス初期ソフィスト期の傑作

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哲学

この著作について

紀元前5世紀後半のソフィスト、ゴルギアスが書いた修辞学的弁論。ヘレネーがパリスと共にトロイアへ渡った行為に対する世評を覆し、彼女の「無罪」を弁証する寓意的な弁論練習作品で、古代弁論術の最も早い理論的作例の一つ。

【内容】

ヘレネーの出奔の原因として考えうる四つの要因(運命・神々の強制、暴力、言葉の説得、愛)を一つずつ取り上げ、いずれの場合もヘレネーに責任がないことを論証していく。とりわけ第三段の「言葉(ロゴス)」については、ロゴスは魂を薬のように動かす強力な力であり、聴く者を抗しえない形で説得する以上、それに従うのは過ちではないと論じる。言葉の力(デュナミス)の考察は修辞学の自立を支える重要な一節となっている。

【影響と意義】

プラトンゴルギアスで批判される弁論術の具体的資料として、同時に弁論練習(プログュムナスマタ)の原型として、古代・中世の修辞学教育に広く用いられた。近代以降はソフィスト再評価の文脈で重要テクストとなっている。

【なぜ今読むか】

言葉が世論を動かす力を2500年前に自覚した文章として、情報戦時代の言語倫理への古典的参照点。

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