「すべての動物は平等である。だが一部の動物は他の動物よりもっと平等である」
オーウェル現代
オーウェルが『動物農場』の結末近くで、平等を掲げた革命の変質を描くために書いた一文。
この言葉について
さらに深く
【出典】
この文は、作家ジョージ・オーウェルの寓話小説『動物農場』の最終章、第10章に出てくる。動物たちが掲げた七つの戒律の7番目は、もともと「すべての動物は平等である」だった。物語の終わり近く、視力の衰えた雌馬クローバーが、若いころでも壁の文字は読めなかったと言って頼むと、ロバのベンジャミンはこのときばかりは自分の決まりを破り、壁に書かれたものを読み上げる。そこにはもう戒律が一つしか残っていない。それが「ALL ANIMALS ARE EQUAL BUT SOME ANIMALS ARE MORE EQUAL THAN OTHERS」である。そう読み上げられた後では、翌日、農場の仕事を監督する豚たちが皆鞭を手にしていても、奇妙には見えなかった。作品の末尾には、1943年11月から1944年2月という執筆の期間が記されている。
【よくある誤解】
この作品を社会主義そのものへの否定として読むと、作者の立場とずれる。オーウェルは1946年夏に雑誌「Gangrel」に載せた随筆「なぜ書くか」で、1936年以降の本格的な作品はすべて、直接にせよ間接にせよ、全体主義に反対し、自分の理解する民主的社会主義を支持して書いたと述べ、『動物農場』を、政治的な目的と芸術的な目的を一つに融合させようと自覚して試みた最初の本だとしている。1947年3月に書かれたウクライナ語版への序文(原文は失われ、ウクライナ語からの再翻訳が伝わる)では、社会主義運動の再生にはソ連神話の破壊が不可欠だと確信していたと書く。結末を豚と人間の和解と受け取る読者についても、テヘラン会談の直後に書いた自分は、大きな不協和音で終わらせるつもりだったと説明している。
【この言葉のその後】
この作品は、世に出る前から政治と切り離せなかった。オーウェル財団によれば、作品は出版社に次々と断られたのち1945年に刊行されたが、断った出版社の一つはソ連のスパイの働きかけによるものだった。財団は、東側諸国ではこの作品が禁書とされたことを伝えたうえで、20世紀の偉大な政治的作品の一つに数えている。
この言葉を残した人物
「政治」の名言
「存在が意識を規定する」
マルクスが『経済学批判』の序言で、社会的存在が人間の意識を規定すると述べた一文を縮めた言葉。
「目的は手段を正当化する」
『君主論』などに見るマキャヴェッリの思想を要約した言葉として知られ、結果で手段を評価する考えを表す。
「人間は本性上、ポリス的動物である」
アリストテレスが『政治学』で人間の本性を述べた言葉で、「人間は社会的動物である」の形でも知られる。
「万人の万人に対する闘争」
ホッブズが『市民論』や『リヴァイアサン』で、共通の権力がない自然状態の人間を描いた言葉。
「万国の労働者よ、団結せよ」
マルクスとエンゲルスが『共産党宣言』の結びに置いた、国を越えた労働者の団結を呼びかける言葉。