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友達がいない

ともだちが いない

親しい友人がおらず孤立感を抱えている

人間関係孤独社会性

この悩みについて

学校でも職場でも、気軽に話せる相手がいない。休日に「遊ぼう」と言える人が思い浮かばない。そんな孤独感を抱えている人は、実はとても多いです。

SNSを開けば誰かの楽しそうな集まりが目に入り、「自分だけ取り残されている」ような気持ちになることもあるかもしれません。連絡を取ろうとして誰の名前を押せばいいか迷う瞬間や、休日に予定がないまま一日が過ぎていく感覚は、静かに心を削っていきます。

【哲学はこの悩みをどう見るか】

アーレント人間の条件で、誰ともつながれない「孤立」と、一人で自分自身と向き合う「孤独」を区別しました。孤独は本来、思考の源泉となる豊かな時間でもあると論じています。

アリストテレスニコマコス倫理学で「友愛(フィリア)」について深く論じました。彼によれば、真の友情とは「互いの善を願い合う関係」であり、数は少なくても構わないとされます。

エピクロスは「隠れて生きよ」と説きながらも、友人との交わりこそが幸福の源であるとしました。大勢の友人は不要で、少数の信頼できる仲間がいればよいという考え方です。

【ヒント】

友達が「いない」ことと「必要ない」ことは違います。もし本当につながりを求めているなら、まずは自分が何に興味があるかを知ることから始めてみるのもひとつの方法かもしれません。

さらに深く

【実践に使えるアプローチ】

■ 孤独と孤立を区別する

「友達がいない」という感覚には、二種類あるかもしれません。誰ともつながれない「孤立」と、一人でいることを選んでいる「孤独」です。アーレントはこの二つを明確に区別し、孤立は他者の不在による苦しさである一方、孤独は自分自身と向き合うための豊かな時間でもあると述べています。まず、今感じているのがどちらに近いかを整理してみてください。「本当はつながりたいのにつながれない」という感覚が強いなら、次のアプローチが助けになるかもしれません。「一人の時間も好きだけれど、誰かと分かち合える関係も欲しい」という場合は、数より質、少数でも深くつながれる相手を探すことが答えになることもあります。

■ 活動を起点につながりを作る

アリストテレスは『ニコマコス倫理学』で友情を三種類に分けました。快楽のための友情、利益のための友情、そして徳に基づく友情です。本当の友情は「友達を作ろう」という目的意識から生まれるのではなく、共通の関心や活動の中で自然に育まれるものだと言います。まず「自分が続けたいと思えること」を見つけることが大切です。趣味のサークル、読書会、ボランティア、オンラインのコミュニティなど、自分にとって楽しい場に飛び込んでみてください。友達を作ることを目的にするのではなく、その活動自体を楽しむことが、気づけば誰かとのつながりになっているはずです。

■ エピクロスの「少数の深さ」を目指す

エピクロスは「隠れて生きよ」と説きながらも、友人との交わりを幸福の源としました。大勢の友人は不要で、少数の信頼できる仲間がいれば十分だという考え方は、今の時代にもよく効きます。「友達がいない」という感覚の背後に「大勢でつながらなければ」という思い込みがないか確かめてみてください。本当に話せる相手が一人か二人いれば、人生の幸福には十分ということも多いのです。広く浅くではなく、少人数と深く長く関わる方向に舵を切るだけで、「友達がいない」の重さが変わります。

【さらに学ぶために】

ニコマコス倫理学第八・九章は友情について哲学的に深く論じた古典的名著で、友人との関係を頻度ではなく質で捉え直すための土台になります。三木清《みききよし》人生論ノートの「孤独について」の章は孤独を肯定的に捉え直す日本語の名文として知られ、つながりに飢える感覚を落ち着かせてくれます。

関連する哲学者

関連する思想

関連する著作

著作ニコマコス倫理学

幸福と徳を体系的に論じた倫理学の基本書

著作人生論ノート

三木清が孤独・死・幸福など人生の根本問題を短いエッセイで論じた日本語の哲学書

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