自分を変えたいのに変われない
変わりたいのに同じパターンを繰り返してしまう
この悩みについて
「明日から頑張ろう」と何度も決意する。ダイエット、早起き、勉強の習慣化、人との接し方。変えたいことはたくさんあるのに、三日坊主で元に戻ってしまう。そんな自分にうんざりしていませんか。
変われない自分を責めるたびに自信がなくなり、「どうせまた失敗する」という予感が、本当に失敗を引き寄せてしまう。この悪循環から抜け出せず、もどかしい思いをしている方は多いはずです。
【哲学はこの悩みをどう見るか】
アリストテレスは『ニコマコス倫理学』で、徳とは一回の行為ではなく「習慣(ヘクシス)」によって身につくものだと述べました。変わるとは劇的な転換ではなく、小さな行為の積み重ねだという視点です。
サルトルは「人間は自由の刑に処されている」と述べました。変われないのは能力の問題ではなく、変わらないことを自分で選んでいるのだと。厳しい指摘ですが、裏を返せば「いつでも選び直せる」ということでもあります。
ウィリアム・ジェイムズは『心理学原理』で習慣の力を重視し、意志の力だけに頼るのではなく、環境や仕組みを変えることが行動の変化につながると論じました。
【ヒント】
「自分を変える」をあまり大きく捉えすぎないことが大切かもしれません。一つの小さな習慣を、まず一週間だけ試してみる。その小さな成功体験が、次の変化の土台になります。
さらに深く
【実践に使えるアプローチ】
■ 「変わらないことで何を守っているか」を問う
アドラーは、変われないのではなく「変わらないことを選んでいる」と述べました。変化には必ずコストがあります。今の自分でいることで、失敗しなくて済む、批判されずに済む、何かが安心して守られている。変われないと感じているとき、「変わることで失うものは何か」を正直に書き出してみてください。その答えが見えると、変化を阻んでいる本当の理由が掴めてきます。
■ 「一つだけ変える」という小さな実験を設計する
アリストテレスは、徳とは習慣によって身につくものだと述べました。劇的な自己変革よりも、小さな行動の繰り返しが人を変えていきます。「一週間、○○だけを変えてみる」という小さな実験から始めてみてください。結果より「試みた自分」を認めることが大切です。小さな成功体験が積み重なると、「自分は変われる」という感覚が少しずつ育ってきます。
【さらに学ぶために】
岸見一郎・古賀史健『嫌われる勇気』は「変わらない理由」についてアドラー心理学の視点から論じています。ジェームズ・クリアー『複利で伸びる1つの習慣』は行動変容の実践論として世界的に読まれているベストセラーです。
関連する哲学者
サルトル
「実存は本質に先立つ」自由と責任の哲学者
人間は自由の刑に処されており、変わらないことも自らの選択であると指摘した
アリストテレス
万学の祖、徳と中庸の哲学者
徳は習慣(ヘクシス)によって身につくものであり、小さな行為の積み重ねが人を変えると説いた
ウィリアム・ジェイムズ
プラグマティズムと「意識の流れ」を提唱した心理学の父
習慣の力を重視し、意志だけでなく環境を変えることが行動変化につながると論じた
アドラー
個人心理学の創始者、「嫌われる勇気」の源泉
「不完全である勇気」を説き、変われないのは目的論的に変わらないことを選んでいるからだと指摘した
王陽明
「知行合一」を説いた陽明学の祖
知行合一で知ることと行うことの一体を説いた
荀子
性悪説を唱えた儒教のリアリスト
礼の学習で人間は変わり善くなれると説いた





