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普遍論争

ふへんろんそう

山内志朗·現代

スコラ哲学最大の論争を日本語で読める最良の入門書

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哲学入門

この著作について

中世スコラ哲学と現代存在論の両方に通じる山内志朗《やまうちしろう》が、中世最大の哲学論争『普遍論争』を日本語で包括的に論じた本格的入門書。

【内容】

本書は、プラトンアリストテレスの普遍概念を手短に押さえたのち、ボエティウスによる問題の定式化から出発する。続いて、十一世紀から十四世紀までの普遍論争を、ロスケリヌスの極端な唯名論アンセルムスの実在論、アベラール(アベラルドゥス)の概念論、トマス・アクィナスの温和実在論、ドゥンス・スコトゥスの個体性(ハエクシタス)論、ウィリアム・オッカムの唯名論、ビュリダンやニコラウス・クザーヌスへと辿っていく。論争の焦点は、「犬」や「人間」といった普遍的概念が実在するのか、単なる言葉にすぎないのか、あるいは心のうちの概念なのかという問いであり、本書はその論理的緊張を現代的な鮮度で解きほぐす。

【影響と意義】

普遍論争が中世固有の過去の議論ではなく、近代の経験論、科学的方法論、現代の形而上学や言語哲学における「抽象的対象」をめぐる問題に直結していることが示される。日本語で中世哲学を学ぶ際の優れた入門書として、大学の哲学史教育でも広く用いられている。

【なぜ今読むか】

AIが「種」や「カテゴリー」を自動分類する時代にこそ、「普遍とは何か」という中世の問いは新鮮さを増す。自分の使う一般名詞の重みを考え直す思考の訓練として、意外なほど現代的な示唆を与えてくれる。

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