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『シモーヌ・ヴェイユ:力の寓話』
しもーぬ・ゔぇいゆ:ちからのぐうわ
冨原眞弓·現代
日本のヴェイユ研究者が紡いだ評伝的入門
哲学入門
この著作について
シモーヌ・ヴェイユ研究・翻訳で知られる冨原眞弓(とみはらまゆみ、聖心女子大学)による、ヴェイユの生涯と思想を重ね合わせた評伝的入門。岩波新書。
【内容】
本書はまず、パリの同化ユダヤ人家庭に生まれ、高等師範学校でアランに学んだ少女シモーヌが、高校教師として貧困・失業問題に寄り添い、工場労働・スペイン内戦・自由フランスでの活動を経て、ロンドンで病に倒れ三十四歳で逝去するまでの軌跡を追う。並行して、著作『重力と恩寵』『根をもつこと』『神を待ちのぞむ』『力の寓話』(『イリアス、あるいは力の詩篇』)などを引用しながら、「力」「注意」「不幸」「脱創造」「神の不在」といった鍵概念を解きほぐす。ルノー工場での労働体験、カタリ派神秘主義への傾倒、洗礼を拒み続けた姿勢なども、思想の結節点として丁寧に辿られる。
【影響と意義】
カミュ、エリオット、リクール、アガンベンらの証言とともに、戦後フランス思想・神学・政治哲学に刻まれたヴェイユの位置を丁寧に描き、日本語で読める定番の入門書となっている。
【なぜ今読むか】
不正義に打たれる他者への「注意」という倫理は、SNS時代にこそ取り戻すべき実践となる。
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