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根をもつこと

ねをもつこと

シモーヌ・ヴェイユ·現代

人間の魂が根を張る条件を問うたヴェイユ晩年の政治哲学書

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哲学政治

この著作について

シモーヌ・ヴェイユが1943年、ロンドン亡命中に執筆し、翌年の死の直後に未完のまま公刊された遺著(原題『L'Enracinement』)。戦後フランス復興の指針として自由フランス政府から依頼された草稿で、彼女の晩年の政治哲学の集大成である。

【内容】

人間の魂がもつ最も根本的な欲求は「根をもつこと(enracinement)」であり、具体的な場所・共同体・過去との生きた絆を通じてのみ、人は自己の尊厳と成長の条件を得られるとする。近代の産業化と都市化は、労働者を郷土から切り離し、魂を根こぎにする「根こぎ(déracinement)」の過程として診断される。回復の道筋として、労働・教育・文化・科学・芸術・宗教の諸領域における精神的根の再構築が提示される。

【影響と意義】

戦後フランス知識人(アルベール・カミュ、ジョルジュ・ドゥヴルー、アンドレ・ブルトン)に影響し、現代のコミュニタリアニズム、場所の哲学(プレイス・スタディーズ)、ケア倫理の源流の一つ。

【なぜ今読むか】

グローバル化と流動化で「根なし感」が広がる現代、もっとも鋭い処方箋を提示する古典。

著者

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