女
『女性の権利の擁護』
じょせいのけんりのようご
メアリ・ウルストンクラフト·近代
近代フェミニズムの出発点となったウルストンクラフトの宣言書
政治社会
この著作について
英国の著述家メアリ・ウルストンクラフトが1792年に公刊した政治論文。フランス革命の人権宣言と同時代に書かれ、近代フェミニズムの出発点となった記念碑的著作である。
【内容】
ルソー『エミール』の女子教育論を「女性を娼婦のごとき装飾的存在へと貶める思想」として鋭く批判することから出発する。男女の精神的能力に本来の差はなく、女性が劣って見えるのは、徳と理性を育てるべき教育から排除され、容貌と従順さだけを磨くよう仕向けられてきた歴史的結果にすぎない。女性にも男性と同等の理性的人格としての教育が与えられ、政治参加・職業選択の道が開かれるべきだとする、18世紀としては破格にラディカルな主張が展開される。
【影響と意義】
19世紀のフェミニズム運動、ミル『女性の解放』、20世紀のフリーダン『新しい女性の創造』と続く系譜の源泉となった。政治哲学史においてはロック的自然権思想の女性への拡張として重要な位置を占める。
【なぜ今読むか】
ジェンダー平等の根拠を問う古典的議論が最も明晰に提示された作品として、現代的議論の基礎文献。