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宗教的経験の諸相

しゅうきょうてきけいけんのしょそう

ウィリアム・ジェイムズ·近代

宗教体験を心理学的に分析したジェイムズの代表作

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哲学

この著作について

プラグマティズムの哲学者にして心理学者ウィリアム・ジェイムズが、エディンバラ大学のギフォード講義をもとにまとめた大著で、宗教心理学の古典として不動の地位を占める。

【内容】

本書は、宗教を制度や教義からではなく、個人の内的体験から出発して分析するという姿勢を貫く。健全な心と病める魂、回心体験、聖者性、神秘体験、祈りの心理、宗教の価値といった主題ごとに、実在の人物の告白、自叙伝、日記、手紙から膨大な事例が引用される。ジョン・ウェスレー、トルストイ、バニヤン、聖テレジア、エックハルト、さらに神秘体験者・一般信徒など多様な人物の経験が並列的に分析される。最終章では、宗教体験がもたらす実際的効果(生き方の変容、自己の拡大)が、プラグマティズムの立場から肯定的に評価される。

【影響と意義】

宗教を教義ではなく経験として捉える視点は、その後の宗教現象学ミルチャ・エリアーデの宗教学、ユング派心理学、現代のマインドフルネス研究にまで及ぶ広範な影響を持つ。宗教が個人の生にもたらす具体的効用を真剣に評価した先駆的著作でもある。

【なぜ今読むか】

信仰を持たない読者でも、人間の精神の深みをのぞく稀有な案内書として味わえる。マインドフルネスや瞑想に関心のある現代人が、宗教体験の古層を自分の問題として考え直すための最良の資料となる。

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