ウ
『ウパデーシャサーハスリー』
シャンカラ·古代
不二一元論の大成者シャンカラ唯一確実な独立的教説書
哲学宗教
この著作について
8世紀の不二一元論(アドヴァイタ・ヴェーダーンタ)の大成者シャンカラの作とされる、彼の唯一確実な独立的教説書。題は「千の教え」を意味し、散文篇と韻文篇から成る。
【内容】
『ウパニシャッド』の核心である「汝はそれなり(tat tvam asi)」の一句を出発点に、個我(アートマン)と宇宙の根本原理(ブラフマン)の不二であることを、師と弟子の問答形式で粘り強く論証する。無明《むみょう》(アヴィディヤー)がもたらす主観と客観の分離は仮の姿であり、正しい知解(ジュニャーナ)によってのみ解脱が得られるという立場を、論理と瞑想実践の両面から示す。著作の真偽をめぐる議論の少ない、シャンカラ研究の基盤テクストである。
【影響と意義】
以後1200年にわたるインド精神文化の柱となり、ラーマクリシュナ、ヴィヴェーカーナンダを経て近代のヒンドゥー教改革運動の支柱ともなった。西洋ではショーペンハウアーやエマーソン、またトランスパーソナル心理学が強い影響を受けている。
【なぜ今読むか】
「自己とは何か」という問いを極限まで突き詰めた最古層のテクスト。マインドフルネスや禅の源流を遡る読書に最適。
著者
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