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『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』
へんりー・そろー やせいのまなびや
今福龍太·現代
文化人類学者によるソローの全著作を読み解いた評論的伝記。
哲学
この著作について
文化人類学者・今福龍太がソロー生誕200年を機に著した評論的伝記である。みすず書房から2016年に刊行された。
【内容】『ウォールデン』を中心に、『コンコード川とメリマック川の一週間』『散策』『メインの森』『コッド岬』、そして膨大な日記までを横断的に読み解く。ソローを単なる自然主義者や隠者としてではなく、近代文明への根源的な批評家として再構築しようとする読解が特徴である。歩行、聴覚、植物採集、先住民との接触といった具体的な主題ごとに章が立てられ、ソローのテクストが現代の生態思想や脱成長論にどう接続されうるかが探られる。
【影響と意義】従来の英米文学研究の枠を超え、人類学・思想史・自然誌を架橋する読みを示した点で、日本のソロー受容史において画期的な位置を占める。今福の他の著作群と響き合い、群島思想や周縁の文明論というテーマの一翼を担う。
【なぜ今読むか】気候危機と文明の臨界が現実のものとなった時代に、ソローを「野生」という鍵語で読み直す視角を与えてくれる、信頼できる案内である。
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