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コッド岬

こっどみさき

ヘンリー・デイヴィッド・ソロー·近代

ソロー晩年の海辺を主題とした旅行記・自然誌。

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哲学

この著作について

ソローが1849年以降に複数回行ったマサチューセッツ州コッド岬への旅を綴った後期作品である。生前は雑誌に部分掲載されたのみで、死後の1865年に妹ソフィアと友人チャニングの手で単行本化された。

【内容】砂浜を歩きながら見た難破船の情景、漁村の人々の暮らし、風と波と砂が織りなす海岸の景観を、古典の引用を交えて描き出す。森や川を主題とした他の作品と異なり、本作の中心には海がある。生と死の境界としての海辺、文明の縁辺としての浜辺という独特の場所感覚が全篇に漂う。冒頭で語られるアイルランド移民船の難破場面は、災害と他者の苦痛をめぐる省察として鋭い。

【影響と意義】ソローの自然誌的散文の到達点の一つとされ、地理・植生・歴史・民俗を一つの場所のなかで重層的に描く方法は、後のアメリカ自然文学に大きな影響を与えた。海辺を哲学的な思索の場として確立した点でも先駆的な作品である。

【なぜ今読むか】観光地化される以前のコッド岬の姿を通じて、土地と人間の関係を見つめ直す視点が得られる。海辺に立つことの意味を問い直したい読者に勧められる。

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