経
『経済発展の理論』
けいざいはってんのりろん
ヨーゼフ・シュンペーター·現代
「創造的破壊」と企業家の革新を経済学に導入したシュンペーター前期の主著
経済
この著作について
オーストリア出身の経済学者ヨーゼフ・シュンペーターが1912年、29歳のときに公刊した代表作。新古典派の静的均衡分析と決別し、「企業家による革新(イノベーション)」こそが経済発展の動力であると論じた、20世紀経済思想の転換点となる著作である。
【内容】
経済には定常的な「循環」と、不連続な「発展」の二層があると峻別《しゅんべつ》する。発展とは新結合、すなわち①新商品、②新生産方法、③新市場、④新原料、⑤新組織の形成という五類型の革新によって生じる。革新を実行する企業家は、既存均衡を壊して新しい均衡へと経済を運ぶ動的主体であり、信用による一時的資金調達がこれを支える。利潤・利子・景気循環の諸理論が、この企業家観から統一的に導出される。
【影響と意義】
後の『資本主義・社会主義・民主主義』(1942)で展開される「創造的破壊」概念の原型がここにある。ドラッカー『イノベーションと企業家精神』、クリステンセンの破壊的イノベーション論、現代スタートアップ論の全てが、本書を遠い源流としている。
【なぜ今読むか】
AIとプラットフォーム経済がもたらす「破壊と創造」を理解する上で、100年前の分析枠組みは今なお色褪せない。
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