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色彩論

しきさいろん

ゲーテ·近代

ゲーテの色彩研究

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哲学

この著作について

ゲーテが二十年以上かけて取り組み、自らの文学作品よりも大切だと語ったとされる色彩についての大著。

【内容】

本書は大きく三部に分かれる。生理的色彩の章では残像や縁どりの色など、光を受ける主体の側に現れる現象が徹底的に観察される。物理的色彩の章では、プリズムや霧、薄明の空の色など自然界に現れる現象を、「明と暗の境界に色が生じる」という独自のテーゼで記述する。化学的色彩の章では顔料や染料の世界が扱われる。冒頭にはニュートン光学への長大な論駁が置かれ、末尾では色と感情の結びつきをめぐる「感性的・道徳的効果」が論じられ、絵画論への応用にまで話題が広がる。

【影響と意義】

物理学としてはニュートンに敗れたが、ショーペンハウアー、ターナー、カンディンスキー、そしてゲシュタルト心理学やウィトゲンシュタイン『色彩論』へと、色を体験の側から問うもう一つの伝統を開いた。日本では大岡信《おおおかまこと》・種村季弘《たねむらすえひろ》らによって繰り返し紹介されている。

【なぜ今読むか】

色をRGBや波長の数値として操作することに慣れた現代こそ、本書が示す「見るとはどのような体験か」という問いは新鮮に響く。日常の光景の色に対する感覚を深める手引きとなる。

著者

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