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弁神論

べんしんろん

ゴットフリート・ライプニッツ·近代

「最善説」で悪の存在と神の善性の両立を論証したライプニッツの神学哲学

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哲学宗教

この著作について

ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツが1710年に公刊した宗教哲学の大著。正式題は『神の善性、人間の自由、悪の起源に関する弁神論試論』で、プロイセン王妃ゾフィー・シャルロッテとの対話をきっかけに執筆された、「弁神論(Théodicée)」という語をヨーロッパ思想に定着させた記念碑的著作である。

【内容】

ピエール・ベールの懐疑論的批判に応答する形で、「なぜ全能・全善の神が存在するのに世界に悪があるのか」という古典的難問に体系的に答える。ライプニッツは神が無数の可能世界を比較考量したうえで「最も多くの善を含み、最も少ない悪を含む世界」すなわち「可能世界のうち最善のもの(best of all possible worlds)」を選んだと論じる。自由・恩寵・運命の諸論点が、論理学形而上学・神学・倫理学を統合する巨大な体系として展開される。

【影響と意義】

18世紀啓蒙思想への深い影響を与えつつ、リスボン地震を契機としてヴォルテールカンディードによる痛烈なパロディを呼び、「最善説」論争は近代思想史の主要論題となった。現代分析哲学の悪の問題論争の古典的参照点。

【なぜ今読むか】

自然災害や戦争のただなかで「なぜ世界にこれほど悪があるのか」を考える、哲学的回答の古典。

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