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一四一七年、その一冊がすべてを変えた

せんよんひゃくじゅうしちねん そのいっさつがすべてをかえた

スティーヴン・グリーンブラット·現代

ルクレティウス写本の再発見が近代世界を変えた経緯を描くノンフィクション

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哲学

この著作について

シェイクスピア研究者にしてハーバード大学教授のスティーヴン・グリーンブラットが、ルクレティウス物の本質についての再発見という一つの事件から近代の誕生を描いたピュリッツァー賞受賞作。

【内容】

物語の軸は、一四一七年、失職した教皇秘書ポッジョ・ブラッチョリーニが南ドイツの修道院図書館で埃にまみれた古代写本を手に取る場面から始まる。著者はそこから時間を自在に遡り、古代エピクロス学派の成立、原子と快楽の哲学、キリスト教ヨーロッパでの禁圧、修道士たちによる写本の保存、人文主義者たちの古写本狩り、ルネサンスの芸術と科学への拡散、モンテーニュ、ジョルダーノ・ブルーノ、ガリレオ、トマス・ジェファソンに至る影響の連鎖を縦横に描く。歴史書であると同時に、一冊の本が文明をどう動かすかを描く知的ドキュメンタリーでもある。

【影響と意義】

二〇一二年のピュリッツァー賞(ノンフィクション部門)と全米図書賞を受賞し、思想史と科学史を一般読者に橋渡しする代表作として広く読まれた。日本でも翻訳刊行以来、ルネサンス研究者のみならず、出版史・図書館史・啓蒙思想史の領域に影響を与えている。

【なぜ今読むか】

テキストが容易に失われ、また再発見される時代に、「忘れられた思想がどのように復活して世界を変えるか」を具体的に味わえる。古典と現代の関係を考える出発点として、読後感の濃い一冊である。

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