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『スピノザ:実践の哲学』
すぴのざ じっせんのてつがく
ジル・ドゥルーズ·現代
ドゥルーズによるスピノザ哲学の独創的な読解
哲学
この著作について
フランスの哲学者ジル・ドゥルーズが、博士論文『スピノザと表現の問題』の成果を凝縮して一般読者に向けて書き下ろした、スピノザ入門の決定版。
【内容】
本書は冒頭、スピノザをユダヤ人共同体から破門された「実践する哲学者」として位置づけ直す。続いて『エチカ』を、神の存在論ではなく「力(puissance)」と「情動(affectus、アフェクトゥス)」の哲学として読み解く。身体は何をなしうるかという問いを中心に、活動力を増大させる喜びの情動と減少させる悲しみの情動が倫理の基軸となることが示される。さらに三種の認識、共通概念、第三種の認識による至福までを一貫した実践の階梯として描く。巻末には主要概念の用語事典が付され、個別の概念を調べるための実用性も高い。
【影響と意義】
本書のスピノザ読解は、アントニオ・ネグリや エティエンヌ・バリバールらの政治哲学的スピノザ解釈、現代の身体論・情動論の展開に決定的な影響を与えた。スピノザを神学者から「実践する倫理の思想家」へと読み替える試みは、二十世紀後半の哲学地図を大きく書き換えた。
【なぜ今読むか】
感情労働や精神的疲労が社会的課題となる現代に、自分の喜びと悲しみを「力の増減」として客観的に捉え直すスピノザ=ドゥルーズの視座は、生活の実用的指針としても機能する。繰り返し戻って読み直したい一冊である。
著者
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