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自己への配慮

じこへのはいりょ

ミシェル・フーコー·現代

性の歴史第3巻・自己への倫理的関係の系譜

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哲学倫理学

この著作について

フランスの哲学者ミシェル・フーコー(Michel Foucault、1926〜1984)が1984年に死の直前に刊行した性の歴史第3巻『Le Souci de soi』の邦訳である。新潮社から田村俶訳で1987年に刊行された。

【内容】

本書は前2巻知への意志快楽の活用に続き、ローマ帝政期1〜2世紀の性倫理と自己実践を扱う。「自己への配慮(epimeleia heautou)」というギリシア・ローマ的概念を軸に、夢の自己分析、自己の陶冶、結婚と家政、男性身体の養生術、女性との関係、少年愛の変容を六章構成で論じる。古代ギリシアの「快楽の活用」が、ローマ期には自己への倫理的関係としての厳格化へと転じた経緯を、医学書・夢判断書・哲学書を一次資料として描き出す。

【影響と意義】

この転換を通じて、フーコーは権力分析から主体化の分析へ、知の考古学から自己の系譜学へと、自らの仕事の枠組みそのものを更新していく。本書は『快楽の活用』(1984)肉の告白(2018、死後刊行)とともに、晩年フーコーの倫理的転回を示す基本文献である。ピエール・アド、ジャン=ピエール・ヴェルナンらの古代研究、ジュディス・バトラーの主体化論にも影響を与えた。

【なぜ今読むか】

セルフケア・マインドフルネスといった現代的自己実践の系譜をたどる手がかりとなる。古代の自己技法は今も実践的な意味を持つ。

著者

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