ロ
『ローマの信徒への手紙』
ろーまのしんとへのてがみ
パウロ·古代
信仰義認の神学を体系的に展開したパウロ書簡の最高峰
宗教
この著作について
新約聖書に収められたパウロ書簡の一つ。紀元57年頃、コリントからローマの教会共同体に宛てて書かれたとされ、パウロ神学の最も体系的な記述として、キリスト教神学史全体の中心文書となった。
【内容】
全16章。冒頭で福音の普遍性を宣言し、続けて異邦人も律法を持つユダヤ人も等しく神の前に罪の支配下にあることを論証し、「信仰による義認」の教説を展開する。アダムとキリストの対比、「罪」「律法」「恩恵」「信仰」の相互関係、洗礼による古き人の死と新しき人の歩み、そしてイスラエル救済の神秘が、緻密な論理構成で論じられる。最後の実践編では、信徒生活の倫理と権威への服従を教える。
【影響と意義】
アウグスティヌスの回心、ルターの宗教改革、カール・バルトの「ローマ書」(1922)と、キリスト教神学史の決定的転換点は常に本書の再発見から生じた。『キリスト者の自由』の神学的根幹もここにある。
【なぜ今読むか】
倫理的行為と存在の根拠の関係を最も深く問うテクストとして、宗教の枠を超えて現代思想にも直接に効き続ける。