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ボーヴォワール『第二の性』を読み直す

ぼーゔぉわーるだいにのせいをよみなおす

井上たか子 編·現代

現代の視点から『第二の性』を読み直す論集

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哲学入門

この著作について

ボーヴォワール研究の第一人者・井上たか子《いのうえたかこ》が編んだ、第二の性刊行から半世紀以上を経た現代の視点から本書を読み直す論集。

【内容】

複数の研究者が分担し、生物学・精神分析・歴史・神話論・結婚・母性・老いといった『第二の性』の主要トピックを章ごとに引き受ける。原典の論理を要約しつつ、刊行当時の社会状況と比較し、その後のジェンダー研究や現代日本の家族・労働をめぐる現実とどう接続できるかを論じる構成である。原典の翻訳上の論点や、サルトルとの思想的距離をめぐる新しい解釈にも目配りが効いており、『第二の性』を初めて読む読者にも、再読する読者にも、多角的な手がかりを与える。

【影響と意義】

日本語圏のボーヴォワール研究は長らく文学的評伝に偏りがちだったが、本書は哲学・社会学・フェミニズム理論の各分野の知見を横断して『第二の性』を読み直す姿勢を示した。バトラー以降のジェンダー論との接続を意識しながら、原典の射程を保守的に閉じない開かれた読みを提供する。

【なぜ今読むか】

『第二の性』は二巻の大著で読み通すのは容易でない。本書は章ごとの論点整理を通して原典への入口を開きつつ、現代の読者が抱く違和感や疑問を率直に取り上げる。フェミニズム理論を学び始めた読者にとって、頼れる伴走者となる一冊である。

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