プ
『プラトン 哲学者とは何か』
ぷらとん てつがくしゃとは なにか
納富信留·現代
日本を代表するプラトン研究者による、プラトンの生涯・思想・著作の全体像を丁寧に解説した日本語の優れたプラトン入門書
哲学
この著作について
日本を代表するプラトン研究者・納富信留(のうとみのぶる)が、プラトンと「哲学」そのものを問い直した、一般読者向けの本格入門書。
【内容】
本書はソクラテスの処刑という決定的事件から始まる。青年プラトンが師の死を契機に、政治から哲学へと舵を切り、アカデメイアを設立してイタリア南部・シチリアを往復した生涯が、史料と最新研究に基づいて辿られる。そのうえで、初期の対話篇から『国家』『饗宴』『パイドン』『パルメニデス』『テアイテトス』『法律』まで、イデア論の展開と自己批判、善のイデア、魂の三区分、国制の類型、音楽と詩の批判、哲人王、老年の節度といった主題が順に論じられる。最後に、「哲学者とは何か」という問いがプラトン自身にとっても未解決の課題であり続けたという著者独自の読解が提示される。
【影響と意義】
英米の分析的プラトン研究とドイツ語圏の解釈学的伝統の双方を踏まえた、日本語で書かれたプラトン像として標準的な地位を占める。著者の『プラトンとの哲学』『ソフィストとは誰か』などと合わせて、現代日本の古代哲学研究を牽引する仕事として位置づけられる。
【なぜ今読むか】
プラトンを古臭い思想家として敬遠せず、現代の読者とともに考える同時代人として蘇らせる本書は、哲学を学び直したい人にとって信頼できる水先案内人となる。