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プラトン·古代

プラトン晩年の最大最後の対話篇・理想国家から法治国家へ

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哲学政治

この著作について

プラトン(Plato)晩年の未完の大著。全12巻からなり、プラトンの現存対話篇のなかで国家と並ぶ長さを持つ最大最後の作品。

【内容】

クレタ島で、アテナイから来た謎の異邦人、スパルタ人メギロス、クレタ人クレイニアスの三人が、これから建設する新植民都市「マグネシア」のための法典を議論しながら歩く形式で書かれる。『国家』における哲人王の統治が現実政治で挫折した経験を踏まえ、本書では人間の弱さを前提に、法律そのものが統治者となる「法治」の構想が展開される。酒席の規律、婚姻と家族、教育、土地所有、刑罰、宗教儀礼、殺人と冒涜の処罰に至るまで、市民生活の全側面を法的に規定する具体的な条文的議論が展開される。『国家』ソクラテスが主役でないこと、イデア論への明示的言及が後退していることも特徴である。

【影響と意義】

西洋政治思想における法の支配の出発点の一つであり、アリストテレス政治学、キケロ『法律について』、中世の自然法論、近代の立憲主義に至るまで参照され続けた。近年は政治哲学者のA.W.プライスやマルティン・オスターゲーンらにより、『国家』の理想主義と対になるプラトン政治哲学の現実主義的到達点として再評価されている。

【なぜ今読むか】

民主主義の機能不全と権威主義の台頭のなかで、どのような法と制度が共同体を支えるかという問いは切迫している。プラトン晩年の醒めた現実感覚は、理想と現実のあいだで揺れる現代の立法者たちにも響く。

著者

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