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パースの宇宙論

ぱーすのうちゅうろん

伊藤邦武·現代

パースの宇宙論的思想を解説した入門書

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哲学入門

この著作について

日本におけるパース研究の第一人者・伊藤邦武《いとうくにたけ》が、パース哲学の究極の結実としての宇宙論を描き出した本格的研究書。

【内容】

本書は、後期パースの三大概念である「ティキズム(偶然主義)」「シネキズム(連続主義)」「アガピズム(進化的愛主義)」を中心に据え、カテゴリー論、記号論、論理学プラグマティズムとの内的連関を解きほぐす。現象の三段階(第一次性・第二次性・第三次性)、アブダクションの推論、連続体としての宇宙、偶然から法則へ向かう進化的過程、そして「愛が進化を推進する」というアガピズムまでが、パース自身の多様なテクストから再構成される。パースの形而上学は神秘思想ではなく、論理と数学から導かれる厳密な思考の帰結であると示される。ヘーゲルシェリングとの比較、現代の進化論・熱力学・情報科学との対話も視野に収められる。

【影響と意義】

プラグマティズムを方法論としてのみ紹介してきた従来の解説書と異なり、本書はパース哲学を包括的な宇宙観として位置づけ直した。日本の哲学研究が米国哲学の受容において独自の貢献をした一例として評価される。著者自身の『人間本性と宇宙論』などの仕事にも連なる出発点である。

【なぜ今読むか】

パースを「プラグマティズムの創始者」とだけ知って済ませてきた読者に、より壮大で挑戦的な思想家の顔を示してくれる。科学的厳密さと形而上学的野心を両立させる思考の可能性に触れたい人に適した書物である。

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