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老いる準備

おいるじゅんび

上野千鶴子《うえのちづこ》·現代

団塊世代の老後を社会学的に展望する上野千鶴子《うえのちづこ》の対話本

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社会学

この著作について

社会学者・上野千鶴子(うえのちづこ、1948〜)が高齢者NPO活動家・樋口恵子《ひぐちけいこ》との対話をもとに2005年に学陽書房から刊行した著作で、後にメディアファクトリー新書・朝日文庫などに収められた。副題は「介護することされること」。団塊世代が大量に高齢期に入る前夜に書かれ、自分の老後を自分で設計する具体的指針を提示する。

【内容】本書は介護保険制度導入後の現実を踏まえ、介護を受ける側・する側の両方の立場から老いと向き合う技法を論じる。健康寿命と平均寿命のずれ、介護される側の自己決定、家族頼みからの脱却、地域・友人・専門職からなる多層的サポート網の構築、看取り、相続と死後の手続きなどが具体的に扱われる。「介護される技術」という独自の視点が一貫しており、「自宅独居死」が本書を貫く規範軸として機能し、介護を受ける側の決定権を中心に据える福祉設計が構想される。

【影響と意義】本書は上野の家父長制と資本制おひとりさまの老後おひとりさまの最期在宅ひとり死のススメと連なる一連の著作の中核をなし、日本のフェミニズム・介護福祉学・社会政策論・高齢社会論に広範な影響を与えた。介護保険制度、単身高齢者の住宅政策、看取り支援サービスの議論にも広く参照される。

【なぜ今読むか】超高齢社会のただ中で、自分や親の老後を「家族で抱える」前提から離れて設計し直す具体的な手立てを得られる。介護される側の視点に立って制度を考えるための出発点となる。

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