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おひとりさまの最期

おひとりさまのさいご

上野千鶴子《うえのちづこ》·現代

単身高齢者の看取りを構想する社会学的提言

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哲学社会思想

この著作について

社会学者・上野千鶴子《うえのちづこ》(うえのちづこ、1948〜)が2015年に朝日新聞出版から刊行した著作。おひとりさまの老後(2007)『男おひとりさま道』(2009)に続く「おひとりさまシリーズ」の到達点であり、看取りの問題に正面から取り組む。

【内容】

本書は単身高齢者が在宅で安心して死を迎えるために必要な制度設計を、当事者の証言と国内外の事例から論じる。在宅医療・訪問看護・地域包括ケア・成年後見・看取り支援NPOといった具体的サービスを取り上げつつ、家族に頼れない人々の自己決定権をどう守るかを考察する。「ピンピンコロリ」幻想を批判し、緩やかに死へと向かう過程を社会的に支える設計を提案する。「自己決定」「ケアの社会化」「在宅独居死」が本書を貫く規範軸として機能し、介護を受ける側の決定権を中心に据える福祉設計が構想される。

【影響と意義】

本書は上野の家父長制と資本制老いる準備と連なる一連の著作の中核をなし、日本のフェミニズム・介護福祉学・社会政策論・高齢社会論に広範な影響を与えた。著者の在宅ひとり死のススメと合わせて、日本社会の老後観を更新する役割を果たしている。

【なぜ今読むか】

生涯未婚率が上昇し、家族に頼れない高齢者が急増する現在、自分自身の最期を主体的に設計する手引きとして実用的である。

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