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二葉亭四迷《ふたばていしめい》 日本近代文学の成立

にほんきんだいぶんがくのせいりつ

小田切秀雄·現代

自然主義文学の日本的展開を論じた小田切秀雄の代表的研究書

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哲学

この著作について

文芸評論家・小田切秀雄《おだぎりひでお》が、明治末期から大正にかけての日本文学の大きな転換を丁寧に追跡した文学史研究の代表作。

【内容】

本書は、二葉亭四迷《ふたばていしめい》・坪内逍遙《つぼうちしょうよう》から始まる近代文学の胎動を概観したうえで、明治三十年代末からの自然主義文学の受容と変容に焦点を当てる。島崎藤村《しまざきとうそん》破戒の社会小説的志向、田山花袋《たやまかたい》蒲団の自己暴露、徳田秋声《とくだしゅうせい》の家族観察、国木田独歩《くにきだどっぽ》の抒情、夏目漱石との交錯、さらに白樺派・耽美派への分岐までを視野に入れる。ゾラやフロベールを念頭に置いた西洋自然主義が、日本では私小説的な方向へ転化していく過程が、思想史的条件とともに丁寧に論じられる。

【影響と意義】

戦後の日本近代文学史研究の基本文献として、高等教育の授業でも広く参照されている。プロレタリア文学運動に長く関わった著者の思想的立場から、自然主義文学の社会性と個人主義の両面を見渡した点に特徴がある。

【なぜ今読むか】

私小説的な自己暴露の伝統は、現代のブログやエッセイ、SNSの書き方にも形を変えて続いている。その源泉を作品と思想の両面から確かめることは、現代日本語の文章文化を立体的に捉える助けになる。

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