フィロソフィーマップ

イスラム社会

いすらむしゃかい

アーネスト・ゲルナー·現代

ゲルナーがイブン=ハルドゥーンの王朝循環論を再定式化した名著

Amazonで見る
哲学社会学イスラーム

この著作について

イギリスの社会人類学者・哲学者アーネスト・ゲルナーが1981年に刊行した代表作の一つ(原題 Muslim Society)の邦訳である。マグレブのベルベル社会における人類学的調査を基盤に、イスラーム社会の構造的特質を近代社会人類学の言語で析出した著作である。

【内容】

ゲルナーは、都市と部族、ウラマー(学識者)とスーフィー(神秘家)という対照的な宗教様式の循環構造に着目する。律法主義的・知識人的な都市イスラームと、聖者崇拝的・部族的な田舎イスラームが、王朝の興亡とともに交互に台頭するという力学を描き出した。これはイブン=ハルドゥーンの王朝循環論を、20世紀の社会人類学的概念によって再定式化したものに他ならない。連帯(アサビーヤ)が宗教様式の振幅と結びつく点を理論化したのが本書の核心である。

【影響と意義】

イスラーム社会論・宗教社会学・ナショナリズム論の交叉点に位置する古典的著作として、英語圏で広く参照されてきた。邦訳は宮治美江子・堀内正樹・田中哲也によって紀伊國屋書店「文化人類学叢書」の一冊として1991年に刊行された。

【なぜ今読むか】

中東情勢を文明の衝突ではなく社会構造の循環として読み解く視座を提供する。古典の現代的再解釈の好例である。

関連する哲学者

関連する哲学者と話してみる

Amazonで見る