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倫理学の諸方法

りんりがくのしょほうほう

ヘンリー・シジウィック·近代

直観主義・利己主義・功利主義を比較検討した倫理学の古典

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倫理学功利主義

この著作について

ケンブリッジ大学の道徳哲学者ヘンリー・シジウィックの主著で、1874年に初版が刊行された倫理学の古典である。生前に複数回改訂され、第7版が決定版とされる。

【内容】常識的な道徳判断の背景にある三つの方法、すなわち直観主義・利己主義・功利主義を体系的に比較検討する。それぞれの立場が依拠する原理を慎重に分析し、最終的に功利主義に合理的な基礎を与えようとするが、自分の幸福を最優先する利己主義との和解不可能性という「実践理性の二元性(dualism of practical reason)」の難問にも正直に直面する。常識道徳の諸格率を一つひとつ吟味する手法も特徴的である。

【影響と意義】ベンサムミルの素朴な功利主義を哲学的に洗練させ、現代の規範倫理学の出発点を築いた著作である。J・ロールズやD・パーフィットら現代の主要な倫理学者がいずれも本書を高く評価し、繰り返し参照してきた。

【なぜ今読むか】完全な現代邦訳は未刊行で、明治期の部分訳『倫理學説批判』を除けば原書での参照が中心となる。それでも、倫理学が「直観に頼っていいのか」「自己利益と公共の利益はどう調停されるのか」という根本問題を扱うとき、本書は今なお必須の参照点である。

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