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『メルロ=ポンティ:可逆性』
めるろぽんてぃ かぎゃくせい
鷲田清一《わしだきよかず》·現代
メルロ=ポンティの思想を解説した入門書
哲学入門
この著作について
臨床哲学を提唱した哲学者・鷲田清一《わしだきよかず》が、メルロ=ポンティの思想を「可逆性」という鍵語のもとで読み解いた講談社「現代思想の冒険者たち」シリーズの一冊。
【内容】
本書は、初期の『行動の構造』『知覚の現象学』における身体図式と身体的志向性の分析から出発する。続いて、中期の言語論・絵画論(『シーニュ』『間接的言語と沈黙の声』)、そして遺稿『見えるものと見えないもの』で展開された「肉(シェール)」「可逆性(レヴェルシビリテ)」という後期思想までを一貫した線で辿る。触れる手が同時に触れられる手であり、見る者が同時に見られている、というように、主体と対象が互いに交差する可逆性の構造が、メルロ=ポンティの思索の最終到達点として浮かび上がる。
【影響と意義】
鷲田自身のファッション論・ケア論・臨床哲学の背後には、メルロ=ポンティの身体論が常に息づいている。研究者としての蓄積と、優れたエッセイストとしての筆力が結びついた本書は、日本語で書かれたメルロ=ポンティ入門の代表的な選択肢の一つとなっている。日本の現代思想がフランス現代哲学をどう受容し咀嚼したかの好例でもある。
【なぜ今読むか】
抽象的に見える身体哲学を、臨床哲学者ならではの柔らかな文体で自分の経験へと引き寄せられる。自己と他者が交わる場所としての身体を考えたい読者にとって、思考と感性の双方を育てる贅沢な書物である。
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