失
『失われた時を求めて』
うしなわれたときをもとめて
マルセル・プルースト·現代
二十世紀を代表する意識と記憶の大河小説
文学
この著作について
マルセル・プルースト(Marcel Proust)が1913年から1927年にかけて全七篇で発表した、二十世紀文学を代表する大長編小説。日本語全訳は岩波文庫・集英社文庫ほかで読める。
【内容】
語り手「私」の少年期からの記憶が、マドレーヌを紅茶に浸した瞬間によみがえる有名な場面から、緻密な文体で巨大な時間の建築が立ち上がる。貴族社会への憧憬と幻滅、ゲルマント家の社交、恋人アルベルチーヌへの嫉妬、ヴェルデュラン夫人のサロン、ドレフュス事件と第一次大戦下のパリ、最終篇『見出された時』における芸術による救済の啓示まで、三千ページ余にわたって意識・記憶・時間の現象学が展開される。コンブレーの母の口づけ、作家ベルゴットの死の場面、シャルリュス男爵の没落といった忘れがたい挿話が、巨大な時間の弧の随所に配置される。
【影響と意義】
ジョイス『ユリシーズ』、ウルフ『ダロウェイ夫人』と並ぶモダニズム文学の到達点。ジル・ドゥルーズ『プルーストとシーニュ』など哲学的読解も豊かで、ベルクソン哲学との対話関係も深い。
【なぜ今読むか】
SNSが時間感覚を細切れにする現代にこそ、長く深い時間に身を浸す読書は貴重である。
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