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吉本隆明1968

よしもとたかあき 1968

鹿島茂·現代

吉本隆明と時代の関わりを描いた評伝

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哲学入門

この著作について

フランス文学者にしてエッセイストの鹿島茂《かしましげる》が、吉本隆明の思想的歩みを一九六八年という時代の結節点に焦点を合わせて論じた評伝。

【内容】

本書はまず、戦前の理系青年としての吉本の歩み、敗戦時の挫折、戦後詩人としての出発を手短に辿ったのち、安保闘争、六〇年代の文学状況、全共闘運動、花田清輝《はなだきよてる》・丸山眞男《まるやままさお》との論争、日本共産党の戦後思想への批判、言語にとって美とはなにか共同幻想論の発表などが、時代の空気とともに描かれる。大衆の自立を掲げ、既成左翼と知的前衛の双方に距離を取った吉本の立ち位置が、生活者としての姿とも合わせて立体的に浮かび上がる。

【影響と意義】

吉本隆明という大きな思想家を、時代状況のなかに具体的に位置づけて理解するための最良の入門書の一つとして評価されている。フランス一九六八年論に造詣の深い鹿島ならではの、世界思想史的比較の視点も随所に挿入される。

【なぜ今読むか】

SNSで即座に発信できる時代にこそ、「大衆に向かって、しかし迎合せずに書く」という吉本的姿勢の意味は重い。現代の書き手として自分の立ち位置を考え直すための参照軸を与えてくれる。

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