中
『中世哲学への招待』
ちゅうせいてつがくにゅうもん
八木雄二·現代
アンセルムスからオッカムまでを俯瞰する日本語の中世哲学入門
哲学入門
この著作について
スコラ哲学研究者・八木雄二が2015年に公刊した中世哲学の入門書。エチエンヌ・ジルソンやアラン・ド・リベラらの仕事を踏まえ、日本の読者向けに中世ラテン哲学の全体像を提示した標準的ガイドである。
【内容】
アンセルムスの神の存在論的証明、アベラールの唯名論、トマス・アクィナスによるアリストテレス・キリスト教統合、ドゥンス・スコトゥスの個体化原理、オッカムの剃刀、そしてビュリダンやニコラウス・クザーヌス以後の近代への橋渡しまでを、技術的議論と思想史的文脈の双方から丁寧に辿る。ボエティウスからの連続性、イスラム哲学(アヴィセンナ・アヴェロエス)からの影響、そして自然学・論理学・倫理学の区分が、読者の知識段階に合わせて層をなして提示される。
【影響と意義】
日本における中世哲学研究の一般向け入門書として、山内志朗、稲垣良典らの先行研究を補完しつつ、現代日本語で読める最も信頼できる総論的テキストの一つ。大学学部レベルの西洋哲学史講義の副読本としても広く用いられる。
【なぜ今読むか】
近代を相対化し西洋思想史の奥行きを回復するために、中世の理性と信仰の豊かな対話を知る入り口として最適。