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『イブン=ハルドゥーン』
森本公誠·現代
東大寺長老による包括的なイブン=ハルドゥーン評伝
哲学歴史イスラーム
この著作について
東大寺長老でアラビア学者の森本公誠が、14世紀イスラーム世界の歴史家・思想家イブン=ハルドゥーンの生涯と思想を包括的に描いた日本語入門書である。1980年に講談社『人類の知的遺産22』として刊行された原本を、2011年に講談社学術文庫として再刊した決定版である。
【内容】
本書は四部構成で展開される。第一部はイブン=ハルドゥーン自身が残した自伝『タアリーフ』の翻訳・解説で、北アフリカからエジプトに至る波乱の生涯を一次資料からたどる。第二部は『歴史序説(ムカッディマ)』の主要章の抄訳と注解で、アサビーヤ概念や王朝循環論の核心を日本語で読める形に整える。第三部は思想全体の体系的解説、第四部は中世アラブ思想史および後世への影響史を扱う。
【影響と意義】
日本におけるイブン=ハルドゥーン研究の標準的入門書として長く参照されてきた。原典翻訳・伝記・思想解説・受容史を一冊で兼ねる構成は他にほぼ類例がなく、イスラーム古典の日本語紹介として模範的な仕事と評価される。
【なぜ今読むか】
非西洋発の社会理論を体系的に学べる希少な日本語文献である。ナショナリズム論や国家崩壊論を読み解く視座として、現代の地政学的混乱を考える手がかりにもなる。
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