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『トルストイの生涯』
とるすといのしょうがい
藤沼貴《ふじぬまたかし》·現代
日本トルストイ協会会長による標準的評伝
哲学文学評伝ロシア文学
この著作について
ロシア文学者で長く日本トルストイ協会会長を務めた藤沼貴《ふじぬまたかし》が、自身の研究と読書経験を集約して書き下ろしたトルストイ評伝。2009年に第三文明社の第三文明選書として刊行され、先行のレグルス文庫版『トルストイ』の改訂・増補版にあたる、現在の日本語で読めるトルストイ伝の標準的な一冊である。
【内容】
貴族の家に生まれ、青年期の放蕩、コーカサス・クリミア戦争への従軍、結婚と農場経営、『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』の執筆、信仰の危機と『懺悔』、教会・国家との対決、ヤースナヤ・ポリャーナでの晩年と家庭の不和、そしてアスターポヴォ駅での客死まで、82年の生涯を順を追って描く。あわせて主要作品の成立事情、登場人物のモデル、当時のロシア社会の動向を簡潔に押さえ、トルストイ思想の変遷を作品と生活の双方から立体的に追跡する。
【影響と意義】
日本のロシア文学研究の蓄積を踏まえつつ、専門用語をできるだけ抑えた書き方を貫いており、専門家にも一般読者にも信頼できる入門書として広く参照されている。新訳ブーム以後にトルストイへ入ってきた読者にとって、最初の道しるべになる仕事である。
【なぜ今読むか】
長大なトルストイ作品群に踏み込む前に、生涯と思想の地形図を一冊で得たい読者に最適である。
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