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トルストイ·近代

トルストイの宗教的自伝

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哲学

この著作について

戦争と平和アンナ・カレーニナで世界的名声を得たトルストイが、五十代で襲われた深い精神的危機を赤裸々に綴った自伝的・宗教思想的著作。

【内容】

名誉・富・家族・健康、人が望みうるものを手にしたはずのトルストイは、ある日「なぜ生きるのか、この営みに意味はあるのか」という問いにとらえられ、死の観念に怯えて机から銃を遠ざけるまでに追い詰められる。哲学、科学、東洋の知恵を渉猟するが答えは得られない。絶望のなかで彼は、無学な農民たちが死を前にしてもなお穏やかに信じている素朴な信仰に気づき、正教会の教えを一度は受け入れる。しかし教会の制度と戦争への祝福に違和感を覚え、制度化された宗教ではなく福音の核心に立ち返る自前の信仰を模索していく。

【影響と意義】

後半生のトルストイを「非暴力・簡素な生活・原始キリスト教への回帰」へと導いた思想的転回点であり、人生論神の国は汝らのうちにありに連なる一連の宗教論の出発点となった。ガンディー、ロマン・ロラン、賀川豊彦《かがわとよひこ》らに決定的な影響を与えた。

【なぜ今読むか】

成功の頂で突然襲う「これで何になるのか」という虚無感は、現代人にも無縁ではない。巨大な名声を持つ人物が、率直な一人称で自らの危機を書いたこの書物は、意味の探求を恥じないことを励ましてくれる。

著者

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