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性の弁証法

せいのべんしょうほう

シュラミス・ファイアストーン·現代

生殖技術による女性解放を構想したラディカル・フェミニズムの古典

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政治哲学科学

この著作について

カナダ生まれの活動家シュラミス・ファイアストーン(1945〜2012)が25歳のときに刊行した『The Dialectic of Sex: The Case for Feminist Revolution』(1970)の邦訳。第二波フェミニズムを代表するラディカルな理論書である。

【内容】

マルクスエンゲルスの史的唯物論を「性弁証法」として書き換え、階級ではなく生物学的性差を歴史を動かす根本的な対立として位置づける。生殖というロールを女性に固定してきた生物学的不平等こそが家父長制と階級社会の根源であり、その克服には人工子宮・体外発生といった生殖技術による「生物学からの解放」が不可欠だと主張する。さらに、子ども・愛・ロマンス・人種・ユダヤ人問題までを家父長制の派生現象として再読する大胆な理論的試みが展開される。

【影響と意義】

本書はラディカル・フェミニズムの理論的旗印となり、後のテクノフェミニズム、ダナ・ハラウェイサイボーグ宣言、ゼノフェミニズム、現代の生殖補助医療をめぐる議論にまで遠く影響を残している。技術と身体・ジェンダーの関係を理論的に問う最初期の試みとして重要である。

【なぜ今読むか】

人工子宮や代理出産が現実の選択肢となりつつある今、その思想的源流に立ち戻って評価し直すための古典である。

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