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『カルヴァン』
渡辺信夫·現代
カルヴァンの生涯と神学を描く評伝
宗教入門
この著作について
日本の改革派神学を代表する神学者・渡辺信夫《わたなべのぶお》による、ジャン・カルヴァンの生涯と神学を描いた評伝。
【内容】
本書は、フランス・ノワイヨンに生まれ、ラテン語・ギリシア語の人文主義的教育を受けたカルヴァンが、プロテスタント的回心を経てバーゼル亡命中に『キリスト教綱要』を著し、ジュネーヴで教会改革と都市運営に関わる過程を描く。予定説、神の絶対主権、教会の秩序と規律、聖餐理解、召命としての職業観といった改革派神学の核心を、宗教改革期の政治・都市社会の文脈とともに解説する。セルヴェ事件のような厳しい局面にも正面から触れ、単純な偶像化を避ける姿勢が貫かれる。
【影響と意義】
カルヴァン主義はオランダ、スコットランド、ニューイングランドを通じて、近代資本主義の精神と民主主義の形成に影響を与えた。マックス・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の議論を理解する前提としても役立つ一冊である。
【なぜ今読むか】
論争的になりがちなカルヴァンを、冷徹な改革者であると同時に牧会者として描く視点に深みがある。日本語で得難いカルヴァン像を提供し、近代社会の倫理と宗教の結びつきを考える素材となる書物である。
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