フィロソフィーマップ

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

ぷろてすたんていずむのりんりとしほんしゅぎのせいしん

マックス・ウェーバー·近代

プロテスタントの禁欲的倫理が資本主義の「精神」を生み出したことを論じた社会学の古典

Amazonで見る
哲学経済

この著作について

ドイツ社会学の巨匠マックス・ヴェーバーが雑誌連載ののち改稿してまとめ上げた、宗教社会学と経済史を架橋する古典。

【内容】

本書はまず、ヨーロッパで職業的成功を収めた層にプロテスタント、とくにカルヴァン派の信者が多く見られるという観察から始まる。カルヴァンの予定説では、誰が救われるかは神があらかじめ決めており、人間の努力は救済そのものを左右しない。しかし信者は不安に耐えきれず、世俗の職業で勤勉に働き、禁欲的に暮らし、浪費を避けて再投資する生き方を「救いの徴」として追求するようになった。ヴェーバーはこの宗教的心理こそが、合理的に利潤を追求しつつも贅沢を避ける「資本主義の精神」を生み出す文化的母体になった、と論じる。末尾では、この精神がやがて宗教的根拠を失い、「冷たい鉄の檻」として現代人を支配するに至るという警句的な展望が示される。

【影響と意義】

経済と文化、宗教と合理化、価値観と制度の関係を論じる現代社会科学の基本参照点であり、比較文明論、東アジアの近代化論、現代の働き方論にまで射程が及ぶ。日本でも戦後思想史・経済史・日本資本主義論のなかで繰り返し議論されてきた。

【なぜ今読むか】

成果主義と自己実現の語彙に囲まれて「なぜこんなに働くのか」を問う現代人にとって、本書の「鉄の檻」は我が事として迫る。働き方と信念の関係を遡って考える原典である。

関連する思想

この著作で考えられる悩み

この著作をマップで見るAmazonで見る