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精

『精読 アレント「人間の条件」』

せいどく あれんと にんげんのじょうけん

牧野雅彦·現代

『人間の条件』の新訳を手がけた牧野雅彦が、全6章を解説した講談社選書メチエの1冊

哲学入門

この著作について

政治学・政治思想史を専門とする牧野雅彦《まきのまさひこ》(広島大学名誉教授)が、ハンナ・アレント(1906〜75年)の主著『人間の条件』(英語版1958年)を全6章にわたって解説した本。2023年に講談社選書メチエの第781巻として刊行された。著者は講談社学術文庫から出た新訳の訳者でもあり、本書はその新訳の刊行に際してまとめられた。

【内容】

目次は、地球からの脱出と人間の条件の変容を題にした「はじめに」で始まる。序章「マルクスと西洋政治思想の伝統」には、古典的政治哲学の成立、ソクラテス、存在への問いとプラトン、近代の転換などの節が並ぶ。続く第1章から第6章は、観照的生活と活動的生活、公的なものと私的なもの、労働、仕事と制作、行為、近代の開幕と活動のヒエラルキーの転換を順に扱う。節の題には、大衆消費社会という不幸、功利主義批判、人間関係を修復する「奇蹟」としての「許し」、行為の「予測不能性」に対する救済としての「約束」、ガリレオによる望遠鏡の発明、デカルトの懐疑などがある。

【影響と意義】

『全体主義の起源』を精読した同じ講談社選書メチエの巻の姉妹篇にあたる。訳者が全6章を解説し、その背景や可能性にもふれる構成をとる。

【なぜ今読むか】

出版社の内容情報は、科学と技術の進歩が人間をどう変えるのかという課題を考えるとき、『人間の条件』が多くの人に手にされてきたと述べる。書店の内容説明は、科学と技術が世界大戦の惨禍をもたらす一方で人間の活動領域を地球の外にまで広げたと記す。本書はその原著の全6章を順に解説する。

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