ア
『アエネーイス』
ウェルギリウス·古代
ローマ建国を歌うラテン文学最高峰の叙事詩
哲学文学古典
この著作について
古代ローマの詩人ウェルギリウスが詠んだラテン文学最高峰の英雄叙事詩である。トロイアの英雄アエネアースが流浪の果てにイタリアへ至り、ローマ建国の祖となる物語を全12巻で歌う。
【内容】
燃えるトロイアから父アンキセスを背負い息子アスカニウスを連れて脱出したアエネアースは、地中海を彷徨いながらカルタゴの女王ディドとの悲恋を経験する。冥府下りで先祖の魂と未来のローマを幻視した英雄は、イタリアに上陸して先住民との戦いを勝ち抜き、新しい民の礎を築く。前半はホメロス『オデュッセイア』風の流浪譚、後半は『イリアス』風の戦闘譚として構成され、運命に従う英雄の像が刻まれる。
【影響と意義】
アウグストゥス帝の時代精神を映す国民叙事詩として書かれ、ホメロスへの応答を通じて西洋文学の主軸を形成した。ダンテ『神曲』ではウェルギリウス自身が地獄と煉獄の案内者として登場し、中世以降の詩学・神学・政治思想に深い刻印を残した。
【なぜ今読むか】
個人の幸福と公の使命の葛藤、滅ぼされた者と建国する者の視座のせめぎ合いは、現代の読者にも痛切に響く。西洋古典の核となる物語を、運命と義務の重みとともに味わえる作品である。
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