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天使はなぜ堕落するのか

てんしはなぜだらくするのか

八木雄二·現代

中世哲学の興亡を生き生きと描く入門書

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哲学入門

この著作について

ドゥンス・スコトゥス研究者にしてキリスト教哲学を専門とする八木雄二《やぎゆうじ》が、中世哲学の魅力を一般読者に伝えるために書き下ろした入門書。

【内容】

副題の「中世哲学の興亡」が示すとおり、本書は大学の成立、スコラ哲学の方法論、普遍論争、神学と哲学の関係、理性と信仰の役割分担などを、時代背景とともに描き出す。アンセルムスの存在論的証明、トマス・アクィナスの自然神学、ドゥンス・スコトゥスの存在の一義性、オッカム唯名論、中世後期のノミナリズムと近代科学への橋渡しなど、各局面が丁寧に辿られる。題名の『天使はなぜ堕落するのか』は、自由意志と悪の問題を論じた中世神学の核心に触れる問いであり、それを突破口に、「天使は何体まで針の先に立てるか」といった揶揄されがちな問いの背後にある真剣な哲学的探究が再評価される。

【影響と意義】

中世哲学を「暗黒時代」として片付ける通念に抗し、知的興奮に満ちた時代として再発見する視点を提供する入門書として、一般読者にも開かれている。著者の他の著作と合わせて、日本語圏で中世哲学を学び始める際の貴重な水先案内役となっている。

【なぜ今読むか】

AI倫理や環境問題で「自由と責任」「善悪の根拠」が再考される現代に、八百年前の知識人が同じ問題に真剣に取り組んでいた姿を知ることは、自分の思考の視野を静かに広げてくれる。

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