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『ヴェーダーンタ哲学の発展』
ゔぇーだーんたてつがくのはってん
中村元《なかむらはじめ》·現代
中村元《なかむらはじめ》によるヴェーダーンタ哲学の標準的研究書
哲学
この著作について
日本仏教・インド哲学研究の第一人者・中村元《なかむらはじめ》が、ヴェーダーンタ学派の歴史的展開を体系的に論じた学術的大著。
【内容】
本書はまず、ウパニシャッドにおける「ブラフマン(宇宙原理)」と「アートマン(自己)」の同一性という核心主題が立ち上がる過程をたどる。そのうえで、バーダラーヤナ『ブラフマ・スートラ』の編纂、ガウダパーダの不二論的読解、八世紀の思想家シャンカラによる純粋な不二一元論(アドヴァイタ・ヴェーダーンタ)の完成、ラーマーヌジャの制限不二一元論、マドヴァの二元論、さらに近代のヴィヴェーカーナンダ、オーロビンドへと続く系譜が、原典の引用と綿密な注解とともに解説される。議論は精緻であり、インド哲学の論理装置の内部に踏み込んでいく。
【影響と意義】
日本語で書かれたヴェーダーンタ研究の標準的参考書として、インド哲学・比較哲学・宗教学の研究者にとって基礎文献となっている。中村の膨大な著作群全体のなかでも、本書はシャンカラ研究の中心に位置する。
【なぜ今読むか】
ヨガや瞑想、ノンデュアリティ(非二元)と呼ばれる現代の精神的潮流の背景にある千数百年の議論の厚みを知りたい人にとって、本書は手応えのある知的案内となる。ブームの表層ではなく、思想そのものに触れたい読者に向いている。