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『ブラフマ・スートラ』
バーダラーヤナ·古代
ヴェーダーンタ哲学の根本聖典となる短句集
哲学文化・宗教
この著作について
古代インドの思想家バーダラーヤナ(Bādarāyaṇa、紀元前後〜2世紀頃)に帰せられる、ヴェーダーンタ哲学の根本聖典。「ヴェーダーンタ・スートラ」「シャーリーラカ・スートラ」とも呼ばれ、4篇16章555句の短い格言からなる。
【内容】
本書はウパニシャッド諸文献のなかから、ブラフマン(宇宙原理)とアートマン(自己)の同一性をめぐる教説を体系化することを目的とする。第1篇は調和章、すなわちウパニシャッド諸文の整合的読解、第2篇はサーンキヤ・ヴァイシェーシカ・仏教など他派批判、第3篇は霊魂と修行論、第4篇は解脱論という構成をとる。短句のため単独では難解で、後世の註釈なしには読み解けない。
【影響と意義】
後世のヴェーダーンタ学派は本書の解釈を通じて発展した。8世紀のシャンカラによる不二一元論的註解、11世紀のラーマーヌジャによる限定不二論的註解、13世紀のマドヴァによる二元論的註解が三大註釈として並び立ち、それぞれ別個の宗派を形成した。インド哲学三大根本聖典(プラスターナ・トラヤ)の一つとして、ウパニシャッド・バガヴァッド・ギーターと並ぶ。
【なぜ今読むか】
インド精神文化の知的骨格を理解する起点であり、現代のヨーガ・瞑想思想の源流をたどるうえで欠かせない。