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『トーテムとタブー』
ジークムント・フロイト·現代
精神分析を文化人類学に拡張したフロイトの大胆な試み
心理哲学
この著作について
ジークムント・フロイトが1912〜13年にかけて雑誌『イマーゴ』に連載し、1913年にまとめて公刊した論集。副題は「未開人と神経症者の精神生活における若干の一致」。精神分析の対象を個人の神経症から文化・宗教・人類史へと拡張した、フロイト中期の大胆な試みである。
【内容】
4編からなる。第1論文は未開社会の「血族婚タブー」と近代神経症の共通構造、第2論文は強迫神経症と宗教儀礼の類似、第3論文はアニミズムと呪術の心的機制、第4論文は本書の中心をなす「父殺しの原初的神話」。ダーウィンの原始群居説を手がかりに、未開の息子たちが父を殺して食い、罪悪感からトーテム崇拝と近親相姦禁止の法を生み出した、という推測的神話がエディプス・コンプレックス論と統合される。
【影響と意義】
文化人類学(マリノフスキー、レヴィ=ストロース)、宗教研究、フェミニズム批評、哲学(アーレント、ジラール、アガンベン)に広く影響を与えた。実証的には否定されつつも、神話としてのモデルの力は今も読まれ続ける。
【なぜ今読むか】
「社会の起源に暴力と罪がある」という衝撃的モデルを、原文で体験できる。
著者
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