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禅の思想

ぜんのしそう

鈴木大拙《すずきだいせつ》·現代

鈴木大拙が禅の哲学的構造を体系的に論じた主著の一つ

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哲学アジア

この著作について

鈴木大拙が禅の思想を哲学的に論じた著作で、慧能を含む中国禅の精神史と、その底に流れる「無分別智」「即非《そくひ》の論理」を体系的に提示した代表作の一つである。

【内容】

本書は禅を単なる宗教的修行や神秘主義としてではなく、独自の論理を持つ思想として位置づける。「即非《そくひ》の論理」は、AはAであるためにはAでない(非A)を含むという逆説的把握で、形式論理を超えた東洋思想の核心を表す。慧能の南宗禅、臨済の喝、趙州の無、白隠の公案《こうあん》など、中国・日本禅の主要モチーフを取り上げ、それぞれが「無分別の世界に分別を立てる」という一貫した視座から読み解かれる。

【影響と意義】

大拙の禅理解はキリスト教神学者トマス・マートンや心理学者ユング、哲学者ハイデガーに直接の影響を与えた。日本国内では西田幾多郎《にしだきたろう》の「絶対無《ぜったいむ》」、西谷啓治の「空」と並び、戦後日本における東洋思想の哲学化を象徴する仕事として読まれる。比較哲学・宗教哲学の基本文献。

【なぜ今読むか】

二項対立を解体する論理は、現代のアイデンティティ論や AI と人間の境界、生命倫理の問題など「明確な区分が成り立たない」場面で示唆を与える。ロジカルシンキングの限界に気づいた人に、別の思考の型を開いてくれる。

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