社
『社会静学』
しゃかいせいがく
ハーバート・スペンサー·近代
個人の自由を軸に社会を構想したスペンサー出世作
哲学政治
この著作について
ハーバート・スペンサーが1851年にロンドンで公刊した政治社会哲学書。鉄道技師を辞めて言論の世界に転じた31歳のスペンサーが、自身の思想的出発点として世に問うた出世作で、のちの「社会進化論」の種子がすでに見える。
【内容】
副題は「人間の幸福に必要な諸条件の考察」。全4部32章。「他人の同等の自由を侵さない範囲で、各人は自由にふるまう権利をもつ」という「等自由の法則」を最高原理として立て、ここからあらゆる政治的・経済的主張を演繹する。土地の共有、女性と子どもの権利、貧困救済への懐疑、国家の役割の極限的縮小などが論じられ、のちの古典的自由主義・リバタリアニズムの原型が示される。
【影響と意義】
ダーウィン『種の起源』に先立って「適者生存(survival of the fittest)」という表現を用い、進化論を社会理論に接続する流れを開いた。米国では金ぴか時代の自由放任主義を支える基本文献となり、20世紀のハイエクやノージックまで系譜が続く。
【なぜ今読むか】
小さな政府を強く主張する思考の原型を一次資料で読める。リバタリアニズムの論理と弱点を同時に確かめる教材として、今も価値がある。
著者
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