フィロソフィーマップ

アマルティア・セン―経済学と倫理学

あまるてぃあせん けいざいがくとりんりがく

鈴村興太郎・後藤玲子·現代

センの経済思想を解説した入門書

Amazonで見る
経済学入門

この著作について

フランス文学者・言語学者の東郷雄二《とうごうゆうじ》が、ノーベル経済学賞受賞者アマルティア・センの思想を、経済学と倫理学の架橋という観点から解説した入門書。

【内容】

本書は、ケイパビリティ・アプローチ、機能(ファンクショニング)と潜在能力(ケイパビリティ)の区別、「合理的な愚か者」という効用主義批判、不平等論、貧困と飢饉の政治経済学、自由としての開発といったセンの中心的貢献を、経済学の素養がない読者にも届く言葉で整理する。効用主義やロールズ正義論との対比も明快で、インドの飢饉、ベンガル地方の女性の就学、基礎的自由と発展の関係といった具体例が随所に織り込まれる。

【影響と意義】

功利主義的厚生経済学の限界を超え、自由・潜在能力・選択の多様性を正面に据えたセンの発想は、開発経済学、福祉論、公共哲学、国連人間開発報告書のHDI指標にまで広い影響を与えた。本書は、その日本語圏への橋渡しの役割を果たしている。

【なぜ今読むか】

「何ができるか」から福祉を測り直すケイパビリティ・アプローチは、生活困窮、障害、ケア労働、教育機会の議論で実際に応用されている。経済学が人間の幸福にどう関わるかを落ち着いて考えたい読者に、最適の入口となる。

関連する哲学者

Amazonで見る