大
『大論理学』
だいろんりがく
ヘーゲル·近代
ヘーゲルの論理学体系
哲学
この著作について
ヘーゲルがニュルンベルクのギムナジウム校長時代に数年を費やして完成させた全三巻の大論理学で、ヘーゲル哲学の方法的背骨をなす中核的著作。
【内容】
全体は「有論」「本質論」「概念論」の三部構成を取る。有論は「有」「無」「成」という冒頭の三重奏から始まり、質・量・度の範疇を通して有限から無限へと進む。本質論では根拠・現象・現実性・因果などの反省規定が取り上げられ、「仮象の論理」と呼ばれる対立関係が丁寧に解きほぐされる。最終の概念論では、主観的概念・客観的概念・理念へと進み、認識と善、最終的には「絶対的理念」に到達する。形式論理学の三段論法はそのなかに位置づけ直され、思考そのものが内容を自己展開する運動として描かれる。
【影響と意義】
本書は『精神現象学』と並ぶヘーゲル哲学の二大主著とされ、マルクスは後に「このうえなく学ぶところが多かった」と述べて弁証法的唯物論の方法論をここから汲み取った。エンゲルス、レーニン、ルカーチ、ブロッホらもしばしば本書を読解の主軸に据えている。
【なぜ今読むか】
安易な二項対立に陥らず、対立を運動の契機として捉え直す思考の型は、複雑な社会問題を考えるうえで今も強力である。読み通すのは難儀でも、節単位で歩める手引きに従えば、哲学の醍醐味を体感できる山岳的古典である。
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