三
『三経義疏』
さんぎょうぎしょ
聖徳太子·古代
聖徳太子に帰される三つの大乗経典の日本最古の漢文注釈書
宗教日本
この著作について
伝承上、聖徳太子が7世紀初頭に撰述したとされる三つの漢文注釈書『法華義疏』『維摩経義疏』『勝鬘経義疏』の総称。日本人による仏教経典注釈としては最古の作品群とされ、飛鳥仏教の到達点を示す記念碑的テクストである。
【内容】
三部それぞれ、大乗仏教の主要経典である『法華経』『維摩経』『勝鬘経』について、中国南北朝期の諸註を参照しつつ独自の立場を示す。『法華経』の一乗思想、在家居士・維摩が出家僧を論破する『維摩経』の非二元論、在家の皇后・勝鬘が釈尊の前で説法する『勝鬘経』の如来蔵思想と、いずれも「世俗の只中に悟りを見出す」大乗仏教の核心を扱う点が注目される。
【影響と意義】
後世、聖徳太子が在家仏教の開祖として崇拝される根拠となり、親鸞《しんらん》ら後の仏教者に継承された。現代は著者問題について太子自作説・漢土伝来説・合作説が並立するが、いずれにせよ日本仏教思想史の起点として重要性は揺るがない。
【なぜ今読むか】
仏教が日本的思考にどう接木されたかの最初期の実例として、日本思想史の出発点を知る最良の資料。
著者
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