ポ
『ポストモダンの条件』
ぽすともだんのじょうけん
ジャン=フランソワ・リオタール·現代
「大きな物語の終焉」を宣言したポストモダン思想の宣言書
哲学現代思想
この著作について
フランスの哲学者ジャン=フランソワ・リオタール(1924〜1998)が1979年にケベック大学評議会の依頼で執筆した報告書(原題『La Condition postmoderne: Rapport sur le savoir』)。哲学界に「ポストモダン」概念を確立した記念碑的著作である。
【内容】
リオタールは「ポストモダン」を「大きな物語(grand récit)への不信」として定義する。近代を支えた啓蒙主義的進歩、ヘーゲル的絶対精神、マルクス主義的解放、産業的繁栄といった包括的物語が、20世紀後半において信用を失い、それに代わって複数の小さな物語(局所的言語ゲーム)の並立する状態が生じた。これは知識の正当化様式の根本的変容を意味する。情報技術の発展、知識の商品化、研究の業績化が同時並行で進み、知の地形が大きく変わる。本書はウィトゲンシュタインの言語ゲーム論と科学社会学を駆使しながら、これらの動向を社会哲学的に分析する。
【影響と意義】
「ポストモダン」が哲学・芸術・建築・文化批評の中心キーワードとなる契機を作った。フレドリック・ジェイムソンの後期資本主義文化論、ハーバーマスとの「近代未完のプロジェクト」論争を生み、現代思想の方向性を大きく左右した。
【なぜ今読むか】
AIと情報資本主義の時代に、知識・正当性・政治のあり方を考える40年前からの警鐘として、なお新鮮に読める。